黒執事25巻までの考察 「シリウス」の正体は?黒幕は一体誰か?
黒執事25巻ではいよいよシエルの「あの」秘密が明かされる展開になり、どうやら物語も終わりに近づいている様子。
そこで今回は、シリウスと呼ばれる人物の正体は?リジーはなぜミュージックホールに留まり続けるのか?そしてこれら一連の事件を操る黒幕の存在について現時点での私なりの考察をまとめてみたいと思います。
まずはじめに、これから考察するにあたって前提となる事柄について話しておきたいと思います。
もうほとんどの方がお気づきだと思いますが、実はシエルには双子の兄がいて、その兄は黒ミサで生贄として捧げられシエルは兄の死と引き換えに悪魔であるセバスチャンを喚び出し契約しました。
その後は自身が兄の名であるシエル・ファントムハイヴとして生き、現在シエルと名乗っているのは双子の弟。
個人的にシエルの本当の名前は「ノエル」じゃないかと思っております。理由は特にないんですけど何となくノエルっぽくないですか?シエルとノエル。うん、いい響きだ。
アグニが見てしまった写真は双子が写っている写真で間違いないですね。シエルが2人いるわけですからアグニもそりゃあんな顔になります。
で、この「シエルは双子であり現在シエルと名乗っているのは双子の弟」というのが重要になります。
とりあえず「シエル」と言ってもどっちのことかややこしいので、「シエル」は今のシエル、兄のほうは「双子の兄」とここでは呼ぶことにします。
シリウスの正体は?
未だに謎に包まれている「お星様」と呼ばれる4人ですが、25巻122話ではほんの少しだけその正体につながるセリフ(それぞれの部屋からブラバットに声をかける場面)がありました。
まず、質素な部屋に住んでいるカノープスは口ぶりからは男か女かわからず。正直一番謎の人物です。ベガは予想通り双子の女の子でした。一番状態が心配だったポラリスはどうやら執事みたいですね。とりあえず会話はできるようで安心?しました。誰の執事なのかは気になるところですが…。
そして、問題のシリウス。
シリウスだけここではセリフがありませんでしたが、24巻115話ではシルエットが描かれバイオレットに対して「おいで」と声をかけています。
で、このシルエットなのですが、23巻113話でリジーがシエルらしき人物と会っていたときのシルエットと…
…似てませんか?
え?まさかシリウス=シエル?と思ってしまいそうですが、もう一人シエルにそっくりな人がいました。
そう、双子の兄です。
つまりシリウスの正体は双子の兄なのではないかと思います。血液型による分類で星の名が決められていたので、シリウスはAB型。そしてシエルもAB型。シエルたちは恐らく一卵性なので血液型も同じAB型になります。
そしてシリウスが双子の兄であることを裏づける証拠となりそうなのが25巻124話のこのシーン。
このバイオレットの驚き方と直後の「君か…」というセリフから、バイオレットはシリウス、つまり双子の兄が目の前にいると思い込んだためここまで驚いたのでは?バイオレットはシリウスの顔を知っていますし、自分の血を抜かれているので当然恐怖心があるはずです。実際ブラバットに「シリウス様の光が弱まってるからきらめきを分けてほしい」と言われたときも怯えている様子でした。
以上のことから、シリウスの正体は双子の兄であることはほぼ間違いないと思います。
リジーはなぜミュージックホールに留まるのか?
シリウスの正体がはっきりしたことで「シリウス=双子の兄=本物のシエル」と考えれば、リジーが頑なにミュージックホールから戻ろうとしない理由も予想がつきます。
恐らくリジーは現在のシエルが兄になりすました弟のほうで、本物のシエルは亡くなっているという真実を知ってしまったのではないでしょうか。
23巻113話の「あたしじゃシエルを助けられない」というセリフは、シエルの血液型がAB型なのに対してリジーはB型のため輸血しようにもできない、ということではないかと思っています。
そしてこの「シエル」は兄のほうを指していて、自分の本当の婚約者であるシエルを助けたい、つまり生き返らせたいためにホールに留まり続けている。だから邪魔しようとするセバスチャンを排除しようとした。
ブラバットが占いで婚約者について何か大きな悩みを持っていることを言い当て、「明るい未来は悩みの先にある」と言われたき、リジーは何か思いつめたような顔をしていました。
シエルがあの事件のあとすっかり顔つきも性格も変わってしまい笑顔を見せなくなったこと、イースターのときのエッグなど記憶までおかしいこと、弟の持病のはずの喘息の発作。リジーはシエルの前では明るく振る舞っていますが、今目の前にいるシエルは弟のほうではないか?ということに薄々気づいていたのかもしれません。
だからこそ悩みをブラバットに言い当てられ、「相談したいことがあればまたおいで」と言われたリジーはホールに通った。そこで真実を知ってしまった。
やはり本当の婚約者は兄のほうですし、体が弱くほとんど外に出られなかったシエルはリジーともそこまで親しくなかったのではないでしょうか。だから愛称の「リジー」と呼ぶことに慣れておらず「エリザベス」と呼んでいた。
実は本当のシエルはすでに死んでいる、だが生き返すことができるかもしれない、そんなことを言われたら協力するに決まってます。そしてホールに留まり、実験を邪魔する者を排除して欲しい…そう言われたのではないでしょうか。
それがリジーがホールに留まり続ける理由だと思います。
黒幕の存在について
これまでの考察からわかる通り、ミュージックホールの目的は大量の血液を集めて「お星様」たちに輸血、特にシリウスであるシエルの双子の兄に輸血をして生き返らせようとしているということです。
では、一体誰がそんなことをしようとしているのか?
オセロの言う「人間は持たない知恵を持つ」人物、そして今までの事件にも関わり裏で密かに操っていた人物…アンダーテイカー。
彼がミュージックホールでの騒動に関わっている可能性は高いと思います。というかむしろ彼しかいない。
なぜアンダーテイカーは双子の兄を生き返らせようとしているのか。
アンダーテイカーはシエルの祖母の遺髪を持つなど、裏社会同士の繋がりからかファントムハイヴ家とは昔から関わりがあるようです。特にシエルの父であるヴィンセントに対しては強い思い入れがある様子。そして双子の兄にも深い思いがあったんじゃないでしょうか。
19巻91話のシエルのセリフで「僕だけが」「僕なんかよりもっと…」というのがありますが、「僕だけが(生き残ってしまった)」「僕なんかよりもっと(生き残るべき人がいた)」という言葉が続くのではないかと思います。
つまり自分なんかより兄が生き残ればよかった、という意味だと思います。病弱で人見知りだったシエルより明るく人懐っこい性格の兄のほうが皆にかわいがられていたのではないでしょうか(私は幼い頃のシエルも大好きですが)。
それで双子の兄を生き返すために歪んだ肉人形を生み出した。豪華客船編での事件も名門寄宿学校編での事件も試作品の実験に過ぎなかったんですね。
歪んだ肉人形は死者のレコードに続きを繋ぐことで動いていますが、成功率はエピソードの量や質に左右されるとアンダーテイカーは言っています。ファントムハイヴ家と昔から関わりがあり、双子の兄のこともよく知っていたアンダーテイカーはより質の良い兄の偽の記憶を作り出すことが可能なんじゃないでしょうか。だから赤の他人であったデリックや副校長よりも進化したものを生み出すことができた。
…と思っていたのですが、改めて考えてみると、アンダーテイカーがヴィンセントに特別な感情を抱いていたとしたら真っ先にヴィンセントを生き返そうとするのではないか?と。
でもそれは不可能です。なぜなら22巻105話のアンダーテイカーのこの発言。
ファントムハイヴ邸が襲撃された時にお屋敷は燃やされてしまったので、ヴィンセントの遺体は「骨の髄まで」焼けてしまった。「あんな死に方じゃもう…」のあとに続くのは「生き返すことができない」ですかね?もはや誰なのかわからないほど酷い状態で発見されたのではないでしょうか。
ヴィンセントの遺体は使えない。では彼を生き返すためにはどうすればいいのか。
襲撃事件からしばらく経った後、何者かに連れ去られてしまっていた双子の兄のほうが悪魔召喚の儀式の生贄として殺されます。
アンダーテイカーはこの時に思いついたのかもしれません。
双子の兄の体を「器」にして、ヴィンセントのレコードを繋いだら…?
私はこの可能性に気づいたとき正直ゾッとしました。つまり体は双子の兄だけど中身はヴィンセントということですね。見た目は子供、頭脳は大人。
そう考えると先ほどのページの次にあるアンダーテイカーの発言。
この「ファントムハイヴ伯爵」というのは双子の兄のことを言っているのだと最初は思っていました。ですがこれはヴィンセントを指しているとも考えられますよね。
ただ、ここで一つ疑問なのが、儀式が行われていた建物はセバスチャンが燃やしてしまったので兄の遺体も一緒に燃えてしまったのではないか?ということ。燃える前にアンダーテイカーが回収したのでしょうか?
いずれにせよ双子の兄の体が綺麗に残っていることは確かだと思うので、アンダーテイカーが何かしらして運び出したのだと思います(適当)
そして最終的には完璧な「歪んだ肉人形」として生き返った双子の兄の姿をしたヴィンセントがシエルと対峙して、初めは「お父…様…?」と戸惑うものの「セバスチャン命令だ!あいつを殺せ!」という激しい殺し合いの展開になるのではないかとワクワクしています。
以上、長くなりましたが現時点での考察をまとめてみました。
恐らく私なんかの予想を超える展開が待っているとは思いますが、どのような結末を迎えるのか楽しみです。
うーん、しかし真相は知りたいけど黒執事は終わってほしくないという板挟み状態でもある…どうしたものか…。