こじらせ人間の日常

アニメ・漫画・ゲーム・映画などの雑感

『大逆転裁判2 -成歩堂龍ノ介の覺悟-』感想


大逆転裁判2 -成歩堂龍ノ介の覺悟-』をクリアしての感想です。



※ネタバレ含みますのでご注意ください。



まず、プレイし終わって最初に出てきた言葉が「これは超大作だ…」でした。

前作の1では様々な謎を残したまま終わってしまったため低評価が目立つ結果になっていました。

私も1をプレイしているときは4話あたりであまりの話の進まなさに不安になり、「あれ、これ全10話だったりする?」と思ったりもしました。そのままエンディングを迎えても「まあ続編はあるだろう」くらいにしか考えてませんでしたけども。

それよりも大逆転裁判の世界観がとにかく好きだった私は1の時点ですでに神ゲーが確定していたのですが、今回の2ではさらに期待を上回る面白さでもう圧倒されました。「すべての謎が解き明かされる」の言葉通り、1での伏線も見事回収されてました。

正直、2話までは見たことのあるキャラクターに見たことのある場所ばかりで新鮮味がないなぁと感じてしまったのですが、3話から急に面白くなってそこからのラストに向けての盛り上がりが素晴らしかったです。

人物もこれまで以上にぬるぬる動いてるし、探偵パートでは横だけでなく縦にも調べられるようになってるし、共同推理はスピード感と動きが増してるし、音楽は相変わらず素敵だし。

本当に何もかもすべてに感動しました。


では、ここから各話についてざっと感想を。



第1話 弁護少女の覚醒と冒險

おなじみチュートリアル的な1話は日本に戻った寿沙都さんが主役。

とにかく男装した寿沙都さんが美少年で目の保養になります。ありがたや。コスチューム変更に龍太郎くんも加えていただきたい切実に。

目の泳ぎっぷりとか壁にぶつかって突っ伏す仕草とか、なるほどくんの癖がうつっちゃってるのがかわいいです。

PVで寿沙都さんがお墓の前に立っている映像があったのでお父上死んじゃったか…と思ったんですが普通に生きてましたね。しかもものすごい重要人物でした。


第2話 吾輩と霧の夜の回想

前作で夏目漱石氏が被告人として法廷に立った事件の後に起こったもう一つの事件の話。

ここで前作に登場したもう一人の下宿人や黄色い男性、そして被害者のビリジアン・グリーンの素性が判明します。

ペテンシーの顔を見てると殴りたくなるのは私だけじゃないはず。

バスカビル家の首輪が見つかったときBのイニシャルから「えっ…もしかしてバンジークスの首輪…?」と良からぬ妄想をしてしまったのは私だけじゃないはず。

そういえば漱石さんが被告人となった事件はどちらも殺人未遂で終わったんですね。運が良いのか悪いのか。いや漱石さんはやってないんですけど。


第3話 未来科学と亡霊の帰還

前作からも話に出てきた倫敦万博の開催、そしてすべての事件の中心にある《プロフェッサー》についてが初めて語られ、いよいよ物語が核心に迫ってきた感じの第3話。

ほら、私ってアイリスちゃんがすごい好きじゃないですか?(唐突)

アイリスちゃんのコスチューム変更がなくてガッカリしてたら3話からお出かけ用の服にお着替えしてくれるんですよ!かわいい!

個人的にバンジークスの執務室を調べてるときのなるほどくんとアイリスちゃんのやり取りが好きです。特に、樽を調べたときのアイリスちゃんの反応がかわいくてお気に入り。

あと、私は見逃さなかったのですが万博会場に着いたときなるほどくんが「気をつけて、手を離さないようにしようね」ってアイリスちゃんに言うんですよ。これってつまり2人は手をつないでるわけじゃないですか。23歳の男子大学生と10歳の少女が手をつないでるわけじゃないですか。

ありがとうカプコン


第4話 ねじれた男と最後の挨拶

3話のラストで亜双義が生きていたことが判明し、プロフェッサーの正体は亜双義の父だったという急展開を受けての4話。

なんとここではグレグソン刑事が殺害され、その容疑者としてバンジークス卿が逮捕されてしまうこれまた衝撃の展開。

いやフラグは立ってたしそうだろうなとは少し思ってたけど、グレグソン刑事好きだったので悲しいです。ジーナちゃんが「ボスの仇を討って…必ず犯人を捕まえて!」となるほどくんに涙ながら訴える場面はこちらも泣いてしまいました。

それと関係者ファイルのグレグソン刑事の部分が、亡くなってからは「厳格で真面目に捜査をこなし、フィッシュ&チップスを愛した」って過去形に変わるんですよね。そこも無性に淋しくて。

そして4話の最後ではホームズの相棒が御琴羽教授だったというさらに驚きの事実が明かされます。「ホームズの相棒はワトソン」だと誰もが思ってますから、ジェゼール・ブレットに殺害されたワトソン博士かもし違うとしても他のワトソンという名前の人物だと決めつけてしまってたわけです。アイリスちゃんもワトソンですし。ここはすっかり騙されちゃいました。


第5話 成歩堂龍ノ介の覺悟

最終話ではグレグソン刑事を殺害した真犯人、そしてすべての事件の黒幕であるヴォルテックスを追いつめていきます。

途中で探偵パートになり自らがホームズの相棒として調査してる気分になれるのがいいですね。ネズミ捕りを調べたときの御琴羽教授がはっちゃけてて好き。

プロフェッサー事件でクリムトを操って邪魔者を消してたのも、捏造した証拠品で亜双義の父親を犯人に仕立て上げたのも、バンジークスに死神の名を背負わせて裏でグレグソン刑事らに殺害を命じてたのも、全部がヴォルテックス卿の仕業だったと。正直、「でしょうね」という感じは否めない。

正義のためとは言いつつ自分の手は決して汚さないあたりが何とも卑怯ですよね。この絶大な権力者をどうやって追いつめるのかなぁと思ってたらさらに絶対的な権力者である女王陛下が登場とな!文句なしに
ぶちのめされてスッキリしました。

結局、プロフェッサーの正体は亜双義の父に見せかけてのクリムトに見せかけてのヴォルテックスということでいいんですよね?

プロフェッサーと聞いたときは「professor=教授、ということはまさか御琴羽教授が黒幕…!?」と安直な考えをしてしまったものです。そういえばメグンダルがハッチの店に預けたコートの合言葉も「プロフェッサー」でしたよね。これも伏線だったのか…。


そしてエンディングもめちゃくちゃ良かったですね。

水平線から昇る朝日を背に親友2人が剣を交わらせていつか法廷で闘うことを誓い合う光景なんて美しいとしか言いようがない。

逆転裁判の男女ペアって、なるほどくんと真宵ちゃんはもはや家族だし、オドロキくんとみぬきちゃんは本当の兄妹だし、御剣検事とメイちゃんは兄妹みたいなものだし、心音ちゃんとユガミ検事も兄妹みたいだし、恋愛関係と呼べる組み合わせってないように思うのですよ。兄妹多いな。

でも大逆転裁判は三角関係じゃないですか。(断言)

寿沙都さんは亜双義のことを「一真さま」と下の名前で呼んで慕ってるし、まあ亜双義は「御琴羽法務助士」って堅苦しい呼び方ですけど多分昔は「寿沙都」って呼び捨てにしてたと思うんです。というかしてて欲しい。この2人がお互い信頼してるのはよくわかります。

でも寿沙都さんは亜双義のそばにいるよりなるほどくんのそばにいることを選んだわけです。「成歩堂さまの隣には私がいないと」と思ったわけです。そしてなるほどくんも寿沙都さんに隣にいて欲しいと思ってるわけです。

だって「言えるわけがない。一緒に来てほしいなんて」からの「寿沙都さんが隣にいればどんな法廷も怖くありません!」からの「ふつつか者ですがよろしくお願いします」ですよ?

これはもうプロポーズじゃないか!!!!!

現代のなるほどくんがいるということは当然ご先祖さまのなるほどくんは結婚しているということ。

成歩堂龍一の家系図をたどったら成歩堂龍ノ介の隣に寿沙都の名前がきっとあるのではないでしょうか…!



…と、なんだか熱くなってしまいましたがこれくらいにしておいて。


とにかく私が言いたいのは、大逆転裁判2は間違いなく今までの最高傑作だと自信を持って断言できる素晴らしい作品だということです。

大逆転裁判3もお待ちしておりますとも!