黒執事25巻 感想
黒執事25巻の感想です。
S4の人気を失墜させるためシエルによって結成されたP5。公演が始まるやいなやあっという間にチケットは完売、ものすごい人気です。
それにしてもエドがめちゃくちゃ頑張ってますね…。たぶん普段のキャラとのギャップでいうとエドが一番かけ離れてると思うのですが、「お前やり慣れてるだろ!?」とツッコミたくなるくらいチョイ悪で強引な設定通りの表情や仕草をやってくれちゃってます。今回で確実にエドのファン増えましたねこれは。そして相変わらずハーコートくんちゃんはかわいい。
そんなP5の頑張りの裏でセバスチャンがミュージックホールによる死体遺棄の決定的な現場を取り押さえます。
シエルがP5を結成した本当の目的はミュージックホールから客を奪うことで元々希少なシリウスの採血量をさらに減らし、失血死した死体が遺棄されるのを待ってその決定的な証拠を写真に収めるというもの。
これにはアバーラインも納得できない様子でしたが、シエルにこのような手段を取らせてしまった自分を悔い、「次こそは貴方の手を汚さず事件を解決してみせる」と約束します。アバーライン警部本当にいい人だわ…。早く出世したまえよ。
そして先代からの付き合いである「ピット」というフリー記者の青年が初めて登場しました。7巻32話のヴィンセントの右にいる男の人がピットに似ている気がしますが違いますかね。その他に絵姿があるのは左目に傷跡のある男性と麗しきご婦人の2人ですが、後々登場するのでしょうか。
また、ミュージックホールが大量の血液を集めていた理由も判明。腎不全を患っている軍の上層部や貴族院のお偉いさんたちに多額の資金援助をしてもらう代わりに彼らに綺麗な血を輸血しており、そのために血液がたくさん必要だったと。
資金援助も目的の一つだとは思いますが、「お星様と呼ばれる方たちに輸血するため」というのが真の目的ではないでしょうか。特にシリウス。この辺りの考察はまた別の記事で書きたいなと思います。
それから、今回はシエルとソーマの関係についても描かれましたね。
アグニはソーマに悪事の片棒を担がせ、「僕はあいつを友人と思ったことなどない」と言い放ったシエルに対して不信感を抱き、ソーマを国へ帰らせようとします。
しかし、ソーマはシエルが復讐のために生き、孤独であろうとすることを理解した上でアグニが自分にしてくれたように今度は自分がシエルを支えたいという思いを伝えます。
この場面でソーマがミモザ、シエルがマリーゴールドの花を身に着けているのですが、枢先生によると花を描くときは花言葉を重視しているとのこと。
そこで2つの花言葉を調べてみました。
ミモザ…「秘密の恋」「友情」
マリーゴールド…「嫉妬」「絶望」「悲しみ」
ミモザはソーマからシエルへの思い、マリーゴールドはシエルの背負っているものが表されているようで2人の対比が何とも切ない。
シエルの後ろとシエル自身にマリーゴールドが描かれていますが、これはシエルのこれまで辿ってきた道が絶望や悲しみに彩られ、自身も絶望や悲しみに染まっているということなのかなと。リジーが離れてしまった今、ソーマがシエルの心の支えであって欲しいなと本当に思いますね。
…と、シエルとソーマの関係に目頭を熱くさせていると一気に奈落の底へ突き落とされる展開がこの後待っていました。
タウンハウスに誰かが訪ねて来て、ソーマが応対している間にアグニが暖炉の中からシエルの幼少期の写真を発見します。それを見て驚愕の事実を目にしたアグニはソーマにも知らせようと急いで駆け付けますが、客人から銃を突き付けられたソーマに「バンッ」と銃声が響いたところで次巻へ。
な、何が起こった…!?
いきなりの展開に頭が追いつかないまま終わってしまいました。
ここで何より気になるのが客人が誰なのかということですが、ソーマが「おお、お前か!」と喜んで迎え入れていることからもちろんソーマがよく知っている人物。そして目線がソーマより下に描かれているように感じるのでソーマよりも背が低い人物。あとは馬車で訪ねて来たことや「気安く触れるな」というセリフから貴族階級の人物。
以上のことから推測すると…
…ん?これシエルじゃないか…?
客人が何者なのかは謎ですが、私が気になっていたのはグレルの「どうせまたすぐ会うことになるんだから」というセリフ。これはシエルの周りの誰かが死亡予定者リストに載っており、その魂を回収するときに会うことになるという意味ではないかと。
つまり、ソーマの魂を回収するときに会うのでは…?
リストに載っているのがソーマじゃないとしてもシエルに関わりのあるところで人が死ぬのは確かだと思うので、何やらまた大きな動きがありそう。次巻予告も不穏だし。
そして、アグニが発見した写真。
これはほとんどの読者が気付いていると思いますが、「あの2人」が写っている写真ですよね。いよいよシエルの秘密が暴かれる時が…!黒執事も終わりに向かっているのがわかります。
とにかく次巻は衝撃の展開が待ち受けていそうなので何が起きても動じない覚悟で秋を迎えたいと思います。